
この前話した音の高さについて、国際基準は440Hz、ライアーといえば432Hzでしたよね。

そうですよ。
まず440Hzは現在の国際標準ピッチ(A=440Hz)で、1939年にロンドンでの会議を経て、現在はISO規格として定められています。オーケストラ、ピアノ、多くの市販チューナーは基本的にこの基準で調律されています。
華やか、くっきりとした、張りのある響き、というような特徴を挙げることができます。

そして432Hzは、”オルタナティブ基準”と呼ばれることや、19世紀のイタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが、声楽家の喉への負担を減らし、より豊かな響きを得るために「A = 432Hz」を推奨したという歴史的な背景から、”ヴェルディ・ピッチ”とも呼ばれていますよ。
440Hzに比べて、少し丸みを帯びた、柔らかく温かみのある音色に聞こえる傾向があります。

聞き慣れているピアノなどの音と比べて、調律されたライアーの音色は、同じ曲でもまろやかに聞こえますね。
そういえば、432Hzって何か数字の由来があると聞いたことがあります。

432Hzの起源を探る上で、古代ギリシャの数学者ピタゴラスの存在は欠かせませんね。振動を正確に計測する技術も、「ヘルツ」という単位も存在しなかった時代、そして音楽が「芸術」であると同時に「数学」であった時代の、非常にロマンチックで論理的な発見の物語です。
ピタゴラスは「宇宙の万物は数から成り立っている」と考え、音楽の心地よい響き(協和音)の背後にも、美しい数学的な法則が隠されていることを発見します。そして、弦の鳴る仕組みなどを通して、「3:2」という比率が音楽を構築するための最も神聖で完璧な比率だと考えました。
その後、18世紀の科学者たちによる「C(ド)= 256Hzに設定すると、2の累乗で割り切れて計算しやすい」という実用的な数学的アイデアと、ピタゴラスの音律を掛け合わせた結果として、「A(ラ)= 432Hz」という数字が導き出されました。
こういった歴史的な経緯が、現代において「宇宙の法則(数学)と一貫している」「自然な整数比に基づいている」と支持者から称賛される最大の理由となっています。

心地よい響きを数学的比率から導き出す、音色に対する本気度をすごく感じますね…。
華やかな「440Hz」と比べると、「432Hz」から不思議と落ち着きを覚える感覚、分かるかもしれません。

“432”は魅力的に感じやすい、物語を作りやすい数字なんですよ。
割り切りやすい、象徴数と接続できる、文化的数字と親和性がある、大きなスケールに拡張できる、偶然の一致を集めやすい、という特徴を持つ数字で、432という数字は、その条件をかなり満たしているんです。

好奇心の沼にはまりそう…。


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